428人が本棚に入れています
本棚に追加
改めて考えてみると、俺は将太の生活をよく知らない。
家にだって上がったことはないし、バイト先がどこにあるかも知らない。
交遊関係にも明るくない。
なにも知らない。
そもそも、将太は大学でもいつもひとりだった。
佳奈衣と付き合っていたのも、言われるまで気づかなかったくらいだ。
友達とつるむイメージは皆無。
俺たちがあの頃四人で行動できたのは、奇跡に近かったようにすら思う。
どうしろっていうんだ。
どこから突破していいかわからない。
自宅に押しかけたとしても、彼がいる可能性はまずないだろう。
なんだこれ。
真っ暗過ぎて途方に暮れてしまいそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!