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ひとりで勝手にドクドクいう胸を持て余す。
握りしめた拳が痛む。
言葉が途切れたその先にくるものを待つ。
「三ツ橋くんは、将太のなに……?」
来た。
呼吸をするのも忘れそうになる。
喉がギリギリ締めつけられたみたいに苦しい。
こんなに直球でくるとは予想外だった。
イエスノーでは済まされない。
それは、確実な答えを望んでいる証拠だ。
どうする?
どう答えるべきなんだ?
真希はどこまで話した?
ひたすら焦って口を開けない俺を眺めながら、彼女はひとつ咳ばらいをした。
大人らしい注意の引き方。
「正直に答えて欲しいの。
噂や人づてじゃなく、真実が知りたいの」
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