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「将太。……ごめんな」
すぐそこにある裸の肩を抱き寄せると、彼も素直に頭を擦り寄せてきた。
体温がじかに伝わってくる。
ドキドキが心地好い。
「なにが?」
「俺……ほんとに無神経だった。本気で言ったわけじゃないんだ」
あのときの俺は別人だった、なんて言えない。
あのときの俺も間違いなく俺。
紛れもなく、俺のこの口から出た言葉。
「わかってる。そんなの、あのときにもうわかってた」
目を逸らさないまま、将太はそう言い切った。
「でも、許さない」
甘く蕩けそうだった瞳が、不意に厳しく鋭く光る。
「将太……」
「少しでも頭の隅にないとあんなこと言えやしないだろ。僕のこと馬鹿にしてんの」
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