第一夜 「さらば、日常」

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「一夜……くん」 目を見開き、やや掠れた声で名を呼ぶと、一夜は嬉しそうに笑った。 (夢だったのかな?いや、違う…) 七瀬は、つい先程までの事をゆっくりと思い返した……三度目に会ったコンビニで、一夜から話しかけられ、外に出た……そして、何かで体を斬られ、意識を失った……というのを。 (痛くないな。確かに一夜くんに斬られたのに……) 斬られたのに出血も傷も痛みも感じない。続いて、ゆっくりと体を起こし、周囲を見渡す……そこは、七瀬が一夜と最初に出会った公園で、すっかり闇に包まれ、自分と一夜以外は、誰も居ない。 街灯の下にあるベンチに寝かされており、一夜は、街灯に凭れながら、七瀬を眺めていた。 彼は、ニヤリと笑うとブレスレットが嵌められた片手で髪をかく。
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