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「俺が死神つーのは名乗ったよな?斬ったのは、アンタが死亡リストに載ってたからさ。理解できたか?」
「僕が死亡リストに……」
よく分からないが、一夜の話を信じるならば、自分は死ぬ運命にあったというわけなのだろうと考えた。
衝撃的ではあったが、生きている今ではイマイチ悲しみがない。
この世に対して未練がないからか、怒りすら沸かなかった。
「そうか……一夜くんが嘘つきとか頭がおかしくない限りは信じれるよ。斬られた瞬間は痛かったけどね」
「そりゃ、悪かったな、七瀬サン。物わかりが良くて好きだぜ。もっと噛みつかれるかと思ってたからな。まあ、普通噛みつくほうが自然なんだけどな」
にっこりと笑う一夜は、年相応の少年に見える。ただ、先程までは感じなかった奇妙な感覚が気になる。意識を失う前に感じたあの気配をだ。
一夜は、話を続けた。
「早いハナシ、七瀬サンには、死神になったんだよ。死神になる素質を持った……適合者だからな」
「……!?」
ザワザワとする感覚が身体中を這いずり回るのを七瀬は感じた。一夜が側に居ることで、それは更に強く感じてしまい、握ったままの拳に自然と力が入る。
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