第二夜 「適合者」

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「繋げたぜ、先に入れよ」 一夜は、扉を開けると七瀬を中に促す。 ポカンとした表情で立ち尽くす七瀬は、不思議に思いながらも一夜に従い、不思議な扉を先に潜る……。 「広い…」 目の前に広がっているのは、広い何も無い空間……大理石の廊下、壁も天井も真っ白で、窓すらないそこは、やや居心地が悪い。 灯りが反射し、眩しさに目を細めた。 「相変わらず、目が痛くなるよなー。七瀬サンもそう思うだろ?」 後から来た一夜が眼帯をしていない目を細める。 彼らが入ってきた扉は、跡形も無く消えていた。 「着いてこいよな。迷子になるなよ」 次々と起こる奇妙な出来事に首を傾げながら、七瀬は先に歩く一夜に着いて歩いた。 無人の廊下に足音のみが響く、二人は無言のまま、一つの扉の前に現れた。 「俺だよ。上様」 白い扉を叩きながら、一夜が言うと、扉は、ゆっくりと勝手に開いたのだ。
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