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「けど、七瀬サンを嫌いとか言ってる訳じゃないからな!ただ、心配なだけだからな?」
「そなたは、案外優しい男だな。余とて、七瀬を変に危惧しているわけではあるまい。あの男は、全てを抱え込みそうにも見えるからな……壊れてしまわないかが気がかりなのだよ」
焦りながら言う一夜を見て、主は、愉快そうに笑みを深めると、七瀬に対する印象を述べた。
「妻子に先立たれ、家族とも疎遠だとしか知らん……何があったか詳しくは知らんが、何故か達観的な面があるからな。あやつは知らねばならない事がある……そなたらと居る事で、変われば良いのだがな」
主の呟いた台詞に、一夜は無言で頷くのだった。
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