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「人間だった時、姉が居たんです。愛子さん……僕の姉に似てるんですよ…。姉さんたちから僕がいた記憶は無くなってますから、やっぱり……寂しくなりますね」
「……」
懐かしそうに、何処か悲しげな表情をする少年に七瀬は、切なげな目を向けている。
「皆には内緒にして下さいね、からかわれるから…」
「言わないよ。約束する」
恥ずかしげに言った五月に七瀬は優しい笑みを浮かべながら、答えた。
そんな七瀬を見て、五月は照れた様に微笑みを返してくれた。
「有難うございます、優しいんですね!七瀬さんって!」
「……そうかな?よくわからないなぁ」
それだけ答えると、七瀬は再び夕焼けを眺めた。
死神としての初任務、仲間の五月や協力者の愛子との出会い……さまざまな事が1日で起き、七瀬は目を細めた。
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