第四夜 「死神と協力者」

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(家族か……) 七瀬は、すでに居ない家族を思い出す。 五月みたいに家族に思いを馳せたり、面影を抱いたりしない自分は、変わっているんだなと自覚する。 「どうしたんですか?七瀬さん」 気がつけば、五月が七瀬の顔を覗き込むのが目に映り、七瀬は、何でもないよと彼に言った。 「初任務でしたからね、疲れたんでしょう……すみません、気が効かなくて」 五月は、申し訳なさそうに言った。 「構わないよ。愛子さんに挨拶も出来たしね。さ、帰ろうか。一夜くんたちが心配するだろうからね」 七瀬は、穏やかな声で言いながら、五月の肩を軽く叩く。 二人は、暫く夕焼けを眺めた後、日が沈むのを合図に現世から消えたのだった。
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