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「まあ、まだ一週間だからな。やっぱ、家族の事が心配か?指輪見てたしな」
「妻との約束を思い出していたんだ」
「奥さんとの?つか、七瀬サンの奥さんって、どんな人なんだよ?メチャクチャ気になるんだけどさ」
どこかピントがズレた七瀬の妻が気になった一夜は、思い切って尋ねた。
「どんなって……普通だよ。まあ、しっかりしてて、面倒見がいい女性だけどね。僕には勿体ないぐらいにいい妻だったよ」
少し考える素振りをしながら、七瀬が妻に対する印象を語る。
七瀬の家族に会話に興味が沸いたのか、一夜は、話を真剣に聞いていた。
「七瀬サン、ちょっと頼りないからなぁ。しっかりした奥さんで良かったんじゃね?ひょっとして、年上とか?」
「確かに、僕より二つ上だけど……何で分かったんだい?」
驚いた表情で尋ねる七瀬を見て、一夜は、愉快そうに笑った。
くるくると表情や機嫌が変わるのは、子供みたいである。
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