第一夜 「さらば、日常」

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「……」 少年は、軽い足取りで七瀬に近寄ってくる……またお金が足らないのかな、弁当代ぐらいなら出せるかとか考えていた七瀬だったが、少年の口らは、そんな単語は聞けなかった。 「なー、アンタ。三度もあったのに、何のリアクションも返さねーの?」 「……」 気づいていたのかと思い、一重の目を見開き、少年を見た。 少年は、何らかのリアクションを期待していた様だが、七瀬が何も返さない為にあきれた目を向けた。 「リアクション薄すぎじゃね?つーか、アレ?無関心主義者?」 「無関心では無いよ。偶然だなと思って……弁当代が足らないのかい?」 「は?」 少年は、呆気にとられた表情を向けた……その表情が、あまりにも子供らしくて、少し愉快な気持ちになりかけた七瀬は、財布を取り出した。 「違うつーんだよ、弁当はいいんだよ!三度も俺にあってるのに、何らかのリアクションないのかって、聞いてるんだっつーの!」 「えっと……無いかな」 七瀬の台詞に、深い溜め息をつき、頭を抱えた少年は、七瀬を睨んだ。
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