第一夜 「さらば、日常」

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「あんな、七瀬サン。普通は、三度も会って、こんな風になったら、何か聞くなり、リアクションを返せよな」 「ごめんよ。僕は、そういった事に気が利かなくてね。話し相手が欲しかったとかかい?」 「……つか、怒るとかねーのかよ。ガキにこんな事言われてよ」 盛大な溜め息をつき、藍色に染められた髪をかき乱した。 その拍子に手首にはめられた銀色のブレスレットがキラリと光って見えた。 「ん……怒るのは、疲れるからなぁ」 「あ、ソレは分かるぜー。上様や五月に二葉サンも言ってるからな、すぐ怒ったら駄目って言ってたよな」 「上様?変わったアダ名だね」 「上様は、上様……って、本題からズレるとこだったな…。なぁ、七瀬サン……アンタは、空想上の生き物を信じているか?」 七瀬の的外れな台詞に頭を抱えていた一夜は、急に真面目な表情を向け、そんな質問をした。 七瀬はといえば、暫く黙って考える。
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