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「はい」
「わかった」
二人は、ほぼ同時に応えると瞬時に願った。
――出来れば消えて欲しくないと――…。
だがそれは三ヶ月後には、泡のように消えてしまうのだ。
∞∞∞
―ゼウスタ家・寝殿―
「……やっぱり逃がしたのは、二人か」
殺気のこもった声に、ロウとルフシュの肩が震える。
怒気に揺らめく青眼で睨みつけると、ボーデンは朱色の椅子に腰を下ろした。
「誰から言われた?」
「…………。」
「…………。」
痺れを切らしたようにボーデンは、眉をヒクつかせると徐に立ち上がり、二人に迫った。
「なんでしたの?」
二人はそれでも答えない。
「そう……」
ボーデンは、部屋の隅に置いてあった幅の広いノコギリの柄を持ち、ガラガラと音を発てながら二人の元へ――――…。
「早く吐け!!!!」
ロウを睨みつけて、吐き捨てるように叫ぶボーデン。
「………出来ません」
凛とした声でロウは言うと、ボーデンは目を見開いた。
――喋ってしまったら、ファンが……。
意思は頑なに強い。
ボーデンは怒り任せに、少し背の高いロウの胸倉を掴むとズンズンと歩き、壁に押し付けた。
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