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「た、大変です!? とにかく!!」
女性はそれだけ告げると、レオの右腕を引っ張り走り出した。
「(はっ!?)」
よく解らぬまま、廊下を走るその先は―――…。
∞∞∞
「でも……君は、行かないんだね? ホルス?」
自室にいるオロは、テーブルに置いてあったティーセットで作ったコーヒーを口に含み、数秒後目の前にある白いソファーに固い表情で座っているホルス。
――行く場所とは、主の所。
ホルスは瞬時に解釈し、口を開いた。
「………着いて来るなと……そう言われたから、行けないのじゃ」
「そうか、こっちは場所を知らなかったから、知らせれば向かうんだろうけど………火ノ国である定例会に響いたらマズイ―――それが無慈悲な大臣様々達の考えですよ?」
終盤から敬語になり、目が泳いでいるホルスに追い撃ちを掛けるように告げるオロ。
国の治安と、ひとりの少年の安否。
――天秤に掛ける前に優劣はハッキリとしている。
王族権を担っているゼウスタ家では、忍び込み救出するのは至難の技。
冷静に考えれば、レオはあの家が『帰る場所』―――…。
レオは家出をして、無理矢理連れ戻されたも同然である。
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