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∞∞∞
「………始まったね」
オロは、自室でポツリと呟くとテーブルに目を向ける。
そこに置いてある書類に手を伸ばすと、ペン立てに立てていたペンを徐に取り、さらさらと綴っていく。
まだ、仕事を終わらせていなかったのだ。
しばらく経ち、欠伸混じりにソファーの背もたれに寄り掛かり、腕を後ろに伸ばしていると―――突然部屋の隅が淡く光った。
「どうしたんだい? ホルス……ミクナの側にいなくて大丈夫かい? それとも――」
元の姿勢に戻ると、オロは凛とした声で言う。
「――主の居場所を教えに来てくれたのかな?」
「………知っておったのか」
ホルスは肯定と疑問が入り混じる言葉を呟くと、オロの近くへと歩み寄る。
「一応知らせておこうかと思ってじゃな……流石にミクナ殿には、話せまい内容じゃからな」
前置きをして、ホルスは複雑な表情を浮かべて話し始めた。
「おそらく、ゼウスタ家の者じゃ。レオの過去を知っておったようじゃし……本人が怯えておったからな」
「そうか……」
その台詞を聞くと、オロは密かに口角を吊り上げる。
―――上手くいっているのだと。
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