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オロの家は、各国に点々とあるのだが……地ノ国の方が医療器具も充実している。
家に着いたのはもう暗い時間。
男の子は、ぐったりとしていて独りでは立てないので、オロが抱えていく事にした。
――それにしても、この子は何なのだろう?
服装の、肌着――おそらく火ノ国の物だろうなと察知する。
「(まさか、奴隷なのかもね……)」
そう思うと、オロは眉をすぼませた。
火ノ国では人身売買が裏で、行われているらしい。
――この子供も、そうなら……。
だが、その考えは払拭される。
考えながらオロは、廊下を進み、ちらりと男の子の腕を見ると――輪がなかった。
首輪も。
たいていは、付けられているのだが……。
「(じゃあ……迷子?)」
……でもない。
服装が火ノ国のならば、何故男の子は琥珀砂漠に居たのか。
天ノ国から火ノ国までは、陰ノ国を挟んで向こう側という位置。
――意図的に来たとしか、考えられない。
ひとつの、ある部屋に入ると肢体をベットに寝かせる。
血が服についているのでクローゼットから、一着の病院着を持ってきた。
兼業の医者をしていなかったら、幼い男の子が着る服はなかったであろう――…。
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