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明が向かった場所は、言わずもがなわかっている。
ゆっくり歩きながら、その場所へと向かう。
多分反対から回ってくると思うから、同じくらいのタイミングで着くはず。
ハンバーガーショップの角を曲がってすぐに、明の車を見つけた。
「おい、明」
車の窓を軽くノックすると、窓が開き、サングラスをかけた明が顔を覗かせる。
「よっ!」
「よっ!じゃねえよ!!」
明の頭を軽く小突くと、にっこりと笑いながら車から出てきた。
相変わらず身長高いですこと。
目の前に立たれると、身長差が明らかになるので困る。
「さ、塚原さんに会いに行こうか」
「おう」
塚原さんとは、目的地である“Honey*”という喫茶店のマスターである。
明が芸能人になる前から塚原さんにはお世話になっていて、よくここの喫茶店に二人でくるのだ。
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