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「あー、よく寝た」
のそりと起き上がり、携帯を手に取る。
ディスプレイに表示された数字は、11時34分。
完璧なる、遅刻だ。
そんなことにはもろともせず、ゆっくりとした動作で眼鏡を手にとる。
急にクリアーになった視界のおかげで、頭もようやく覚醒した。
階段を下り、リビングに行くと、ラップのかけられたサンドイッチが置いてあった。
「サンドイッチとかラッキー」
俺はソファーにどっかと座り、サンドイッチを頬張った。
テレビをつけると、見知った顔の人が出ていて、テレビにくぎづけになる。
「いつ見てもムカつくくらいかっけーな」
テレビの中でにこやかに愛想を振り撒いている男に、悪態をつきながらも自然と笑みが零れる。
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