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そんなこんなで15分くらい経って、どこか顔の赤い受付嬢を引き連れた本郷が笑顔で戻ってきた。
…おい、奥で何してたんだよ。
お前ら。
「待たせたな。あのお嬢さんが社長のとこまで案内してくれるってさ。な?せっちゃん」
「はぁい!何処へでも案内しますぅぅ!」
そう言って、本郷を見上げる彼女の周りには今頃ハートマークが確実に乱舞しているだろう。
…こいつ、落としてきたな?
隣を平然と歩く本郷の、意外な一面を見た気がした。
本郷が落としてきた受付嬢の案内でついたのは、従業員用のエレベーター。
「社長は最上階で対談中です。このエレベーターは、接客係専用のものなので、此処なら誰にも会わずに社長のもとまで真っ直ぐ行けます」
おお!一発OK?いちいち探さなくてすんだ。
俺は本郷たちの方を全く見ずにエレベーターに乗り込んだ。
何故って…今のあいつらは、俺には目の毒だ。
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