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そして名残惜しそうな彼女を残してエレベーターが閉まり、再び本郷と二人になった。
そこでようやく蒼夜を外に出し、今本郷に一番聞きたかった事を聞いてみた。
「本郷、前にここに来たことあるんだって？…何しに？」
のんきに鼻歌を歌っていた本郷は、俺の質問に軽く答えた。
「ん？ああ、ちょっと仕事半分プライベート半分でな。情報収集のつもりであの娘に近づいて…」
「ああ、もういいわ」
そこまで聞いて、後は聞くのを止めた。
どうせあれやこれや色んな手を使って落としたのだろう。
ノロケはいらねぇよ。
「…後でメイドさんにでも報告しようか」
「………」こくん。
「えぇ！？それは止めてくれっ！」
何か必死に弁明している本郷を、腕の中に抱いた蒼夜と共に目的地まで冷めた目で見ていた。
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