「わたし」

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願わくは。もしも小さな望みが叶うとしたなら、わたしの命が尽きる時には、誰も側にいないでいてほしい。 徐々に灯火の消えていくわたしを見て、『あなた』がたが悲しむ事のないように。 『あなた』がたを苦しめたくはないから。 どうか「その時」が来たら、わたしが穏やかな顔をしていますように。 ただ眠っているだけのように見えますように。 わたしは、『あなた』がくれたように、誰かを幸せにできたかしら。 例えば『あなた』がしてくれたように、誰かをどきどきさせたり、わくわくする場所へ連れていけたかしら。 ねえ、『あなた』は幸せだったかしら。彼女や、妹は。 わたしがそうであったように、出会ったことで幸せになれたかしら。 ねえ、 .
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