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その後少年と少女は日が傾くまで一緒に遊んだ。
そして帰宅の時間になった。
「もうこんな時間かぁ、僕そろそろ帰らなくちゃ君は?」
「……私も……」
「そっかじゃあ今日はもうさよならだね、そういえばこの近くに住んでるの?だったらまた遊ぼうよ」
少年は笑顔で言うが少女は悲しそうにうつ向いている。
「……もう遊べない」
「どうして?」
「……私……明日には……いなくなる……から……」
「いなくなるって引越し?」
少女はコクリと頷く
「……でも絶対に……帰ってくる……」
少女は先ほどの悲しそうな顔が消し強い眼差しで言う
「……約束……」
「うん、そうだね約束しよう」
またいつか会う日まで、そう幼い少年と少女は約束をしあった。
約束しあった後、思い出したかのように少女は言う
「……名前……」
その言葉に少年は、名前を教えあってすらいなかったことに気づく
「なんで今まで気づかなかったんだろう僕は――――だよ」
「……私は――――」
その後約束通りいつかまた会える日までと少年と少女はそれぞれの家に帰って行った
しかし時の流れと共に少年からこの記憶は薄れていった。
それは遠い記憶……
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