アルトとソプラノ

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アルトとソプラノの親にあたる、紅蓮吸血鬼二世は、次の代を双子に作った。 容姿はそっくりで、どちらがどちらだかわからないほどで。 見分けるために、髪型を変えた。(ほどけばわかるが) しかし、性格に個性はでて アルトは積極的 ソプラノは消極的 であった。 そんな彼らは、二世が死ぬまでは仲がよく、いつも楽しそうに遊んでいた。 だが、二世が死んだ瞬間。 彼らの本能が働き、二人は殺し合った。 勝ったのはアルト。 三世はアルトとなり、ソプラノは死んだ。 死ぬはずだったが、ソプラノは生きていた。 アルトに両腕を切り落とされ、色を失い白くなってなお、生きていた。 そして二人には、仲のよかったころの記憶は薄れ アルトには 「自分に負けた双子の兄弟がいる」という記憶が強まり ソプラノには 「自分を負かした恨むべき双子の兄弟がいる」という記憶が強まった。 薄れただけで、消えてはいない。
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