第一章 塗黒

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+10+ 暫く 貴方の夢は見ない 私は彼女の足音を追いかけていました。 私自身は空間の把握が得意ではありませんし、この城のことならば彼女の方が何倍も詳しいでしょうから。 それにしても…当人は裸足だから、足音がしないことに気付いているのでしょうか… そのまま外に出れば、足を痛めるということも。 ……まだまだ手掛かりそうだと、内心でため息をつきつつ、私も彼女に続いて城を出ました。 見張りの影を踏んで。 アーチの影を踏んで。 花の影も、木の陰も踏みながら。 高い高い柵を見上げました。 「此処から、どうされるのですか?」 私は、彼女に低く問いかけました。 彼女は振り返りました。 「どうにかならないの?!」 ……私に怒られても仕方がないのですが……。
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