第二章 抗緋

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+1+  誰が どうなろうと 構わないと 言えるのなら 「…どうにかとは…他力本願ですね」 見えてないことを良いことに冷ややかな視線を向けた。 彼の人はこんなに甘えたことなど言わなかったのに。 ……英雄とでは比べても栓のないことですか。 「犠牲が出ても構わないのなら、手はあります」 「じゃ!そうして!」 喜ぶ彼女。 その表情は、この先を聞いても変わらないでしょうか? 「…此処を燃やします」 私は、低く言う。 花の咲き乱れるこの場所を。 長く人が手を加えてきた場所を、灰にすると言う。 「死人が出るかもしれませんが…構いませんね?」 簡単に効果を発生させられるものほど、使い場所による代償が大きい。 私の扱う文字は、そういうものですから。 「それで良ければ」 
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