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瑛と名乗った青年に用件を聞けば、食事が準備出来た、それだけで…律儀に待っていた姿に好感を抱いた。
物言いと行動以上に魅力ある青年なのだろう。
少し、評価が上がった。
「じゃ、食事と行きましょうか」
真新しい服に袖を通す。湯を通した肌は白く、指は滑らかで…質素な服を着ていても育った場所の良さが見えた。
別に、隠そうとも思わないけれど。
逆に、隠れてしまっては…後に戻るときに決まりよく収まらなくなるだろう。
「持ってて損はしないでしょう」
良いことばかりではないでしょうが、大局的には。
「…何かまた悪いこと考えてる?」
振り返る目が厳しい。
勝手な判断は前科としてカウントされているらしい。
私は小さくため息を吐いて、
「滅相もございません」
と白々しい嘘を吐いた。
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