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さて、金銭が動かずに食事が終わり、金銭の代わりに行為を返す時が来る。
「他のものに影響を及ぼすには私にも文字が刻まれる…のは納得したけれど、」
階段を降りながら彼女が尋ねる。
「効果は永続的ではないのでしょう?」
文字の刻まれた左腕を撫でながら。
「えぇ、一度記した文字の効果は一回限りです」
私の言葉に彼女の足が止まる。
「…それじゃあ…約束、果たせないじゃない!
騙すの?!」
急に声を荒げられる。
が、私は振り返り、肩を竦めて返す。
「まさか」
「…」
疑いの目には、真なる言葉を。
「何事にも…例外はあるんですよ」
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