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ある日、
起きれば、
全てが
静まり返っていた。
「…気持ち悪い」
彼女は感覚的にそう呟いて、静まり返った謁見室に踏み込んだ。
「お早う御座います」
彼女が入るなり玉座で顔を上げたのは、
王ではなく、
女王だった。
「お早う…××…」
「…え…」
彼女は扉を押さえたまま、次ぐ言葉を失う。
「お前は今、この時をもって、
不要になった」
笑顔を向けながら、残酷な言葉を続けていく女王。
彼女は、扉に爪を立てる。
「一体…何が…」
「王が崩御した。
そして、私が継いだ。
この國は私のものだ。
跡継ぎは要らない」
淀みなく言葉が流れていく。
「よって…」
言葉の意味が彼女には掴めない。
理解出来ないままに、
「お前を消す」
殺戮の宣言が為された。
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