プロローグ

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結界(けっかい)とは、聖なるものと俗なるものを区切る境界を結ぶこと。 神社の鳥居や社を囲む木々、盛り塩、心理的な壁も境界となりうる。 これらを組み合わせて自在に障壁を生み、外敵を防いだり閉じ込めるが結界術。一応、陰陽(おんみょう)術の一種だ。 木崎流は、糸を使って境界をつくる。 糸を結んで囲んだ空間の仕切りに霊的な壁を生み出す。 代々女性のみが継ぐ術で、結界を結ぶのが私、樹はそれを体術でサポートしてくれる。 これが私達、木崎兄妹の使う結界術。 そして“仕事”だった。 「大丈夫、上手く誘い込めばいけるよ。 ……どんな大物だとしてもね」 私は、樹に準備ができていることを伝えた。
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