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俯せになるしほんの背後に立っていたのは今作っていた出来立てのスープの入った鍋を持ったお母さん。
「おいしそーに出来たじゃん。しほん料理上手くなったね」
優しく微笑むお母さん。
しほんは目を見開いた。
瞬時にお母さんは口をクッと緩め悪魔のような微笑みを見せた。
「こんなに上手に作れるようになったご褒美だよ。このスープ一人で食べていいよ。」
口をいがませクッと笑うと出来立ての熱さを感じさせる大量の湯気を鼻で啜った。
「ま…ま待ってよ…。冗談…だよね…?そんなの…」
一歩また一歩と近寄るお母さん。
しほんは動けずにいた。
「ヤダ…やだやだやだ…そんなのかけたら熱い…よ」
涙をこぼしながら首を横に振るしほん。
そうもしてる間に目の前にまでお母さんが来ていた。
お母さんは目を見てクッと笑うと鍋をゆっくり動かし始めた。
「お母さん…っっ!!!!」
しほんの叫び声とともに鍋はひっくり返され熱々のスープがしほんの右足にかかり激しく弾かれた。
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