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こんな気持ちで、親友との写真を眺める日が来るなんて、想像したこともなかった──悠が自殺して、この世を去ったあの日までは。
原因はイジメを苦にした自殺。悠の自室の机から出てきた遺書からして、それはもう確定だ。
あの時学校が騒がしかったことを覚えている。といっても、親友の死のショックで、まるで映画のワンシーンのような味気なさのある記憶となっているが。あの時学校に行ったのも、ほぼ無意識で身体が覚えた習慣でだ。
自殺した理由も、誰がイジメを起こしたことも分かっている。だからか、最初は悠を悲劇のヒロインのように取り上げていたが、すぐに飽きがきて誰も話さなくなった。
なんでイジメられていたのか、それは単なる嫉妬だと思う。悠は勉強しか取り柄のない私よりも頭がよくて運動もできるし、しっかり者だったからかクラス委員長も務めていた。そんな何に関しても完璧な彼女に、嫉妬を抱く者がいないといえば嘘になる。
しかし、どんなに完璧に見える人間だって何かしら欠点を持ち、彼女も例外ではなかった。彼女の欠点というのはメンタル面が弱く、プレッシャーのかかる仕事にはよく私に泣きついてきたものだ。
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