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鏡「組の連中が居所を掴んだらしい。
会いたいか…?」
結「会いたい…ワケないでしょ!?
会ったら借金減るの?
そんなワケ…ないもん…。」
本当は…会いたかった。
売られたことは事実だが、結にとっての家族は父しかいないのだ。
小さくなった語尾に何かを感じた鏡也は、結を抱き寄せて自分の膝に乗せた。
鏡「二年前のお前なら、首根っこ掴んで連れて来いって…言っただろうな。」
結「言った…ね。
確実に、そう言った。
二年って…大きいね。」
鏡「結…賭けを止めて…俺の…。」
結「ならない。」
鏡「即答かよ!!」
結「だって…命削る仕事だもん。
私、多分鏡也さんの荷物になっちゃうから…。」
鏡「お前が荷物なら、喜んで担いでやるよ。」
結「…無理よ。
大きすぎる。私って荷物は。
こうして…こうして居るだけでいい…。」
鏡「二年は…お前を物わかりのいい大人にしちまったな…。」
結「何にも考えなかった十七から二年。
まだ未成年だよ。
おかげでママから未だにお酒のOK出ないもん!!」
鏡「飲まないであれだけ稼げるお前も…スゴいな。」
結「初めて。」
鏡「あ?」
結「誉めてもらった。」
鏡「そうか…?」
どちらからともなく重なる唇。
熱くなる身体を抑えるかのように、激しく貪る。
カチャッ
シン「若…時間です。」
名残惜しそうに唇を離すと、ゆっくりと結をソファに座らせて立ち上がった。
鏡「今夜は、俺が迎えに行くまで待て。」
返事も聞かずに、鏡也とシンは出ていった。
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