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「沙樹…結は?」
ママ「鏡也!!ここではママよ!!
結なら…帰った。
陸也が送ったはずよ。」
鏡「リクのヤツ…!!
なあ…ママ。
リクは…本気だろうか?」
ママ「何?今頃焦ってんの!?
まあ、一杯やんなさいよ。
今日はもういいんでしょ?」
鏡「あ、ああ…。」
シン「若、自分たちは車で待機してます。
行くぞ、タキ」
タキ「ああ。」
鏡也に始終くっついている男、シン(真吾…シンゴ)とタキ(瀧人…タキト)は、ぐるっと辺りを見回した後で店を出た。
ママ「用心深いのね、あの兄弟。」
鏡「仕方ないさ。
俺に付いてると…自然とああなる。」
ママ「あら、それって自慢!?」
鏡「それだけ、俺が危ない橋渡ってるってことだ!!」
ママ「はいはい…。」
返事をしながら、ウイスキーのロックを鏡也の前に置いた。
ママ「あと約一年。
本当に…完済するんじゃない!?あの子。」
鏡「ああ…、多分な。」
ママ「引き留めないの!?」
鏡「…迷ってる。
何がアイツの為になるのかって…。」
ママ「…らしくない。」
鏡「…かもな。」
ママ「双葉組を背負う男のセリフじゃないわ。」
鏡「俺も…そう思う。
いっそのこと、陸也に…。」
ママ「辞めなさい!!
目の前で奪われる苦しみ…アンタが一番良くわかってるでしょ!?」
鏡「そう…だな。
すまない。今夜はどうかしてる。
帰るよ…。」
ママ「結のそばに居てやって。
今夜は特に…。」
鏡「…わかった。」
鏡也は、ママに軽く手を挙げ、店を後にした。
ママ「あなた次第よ…鏡也…。」
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