3 毎日が日曜日

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「あら、お母さんのせいじゃないわよ。だって」 それを遮るように父親が声を上げる。 「にゃ~お」 猫の鳴き声を上げ、白髪混じりの頭を円を描くように回す。 その頭を軽く撫でると、隆治は満足してまた酒を一口煽った。 すみれの恋人としての理想は隆治である。 これでも一流企業に高校を卒業してから所属し、定年するまでに本部長までやり遂げた。 収入にもなにひとつ申し分なく、家族に迷惑をかけたこともない。 頼りがいがあって、それでいて面白く子供っぽい。 これがすみれの大好きな隆治である。
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