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「今日は菊のこと分かった?」
「おう、見てろ。秋には綺麗なのをたくさん咲かせてやるからな」
菊は確かに墓前に供えるためによく見かけられる。
だが、その他にも大会があり、あちこちの地域で菊で飾られた色とりどりの催し物がある。
「母さん。明日だけどな、デパートに行こう」
赤ら顔になった隆治が、紀子に言う。
そしてとっくりに何もなくなったのを覗き込んで確かめると、最後まで一滴も残すまいと逆さにした。
「えぇ?また出かけるんですか。明日はトイレの掃除をしたいんですよ」
「あぁ、そんなの終わってから行けるだろう」
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