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そこで、隆治の声が大きくなる。
紀子は大きくあからさまにため息を吐くが、昔からそういっても必ず出かけていく。
そして出かけてしまえば、盛り上がるのも紀子の方だ。
「いいなぁ、お父さん達は」
すみれが加えて立ち上がる。
そして食器をシンクの中に片づけ、水につける。
「すみれはどうだ。会社。やっていけそうか」
隆治に聞かれ、肩を竦める。
「分からないよ。でも、とりあえず居心地は悪くないみたい。」
「よかったじゃないか」
紀子もすみれに続いて立ち上がる。
そして孝の分の食器を運んだ。
途中、隆治が紀子の胸に手を伸ばし、手のひらを叩かれる。
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