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「もう、そんなことろ触らないで!」
紀子の声に、すみれも笑う。
これが隆治達のスキンシップだ。
それを小さい頃から見ているため、子供達にも見慣れている上に、いやらしさはない。
二人がそうしてじゃれていることが、羨ましかった。
「じゃあお風呂はいるねー」
すみれはストッキングを脱ぎながらキッチンを横切り、浴室へと向かった。
風呂から上がると、二階の自室に向かう。
二階にはすみれの部屋を真ん中にして、孝と母親の寝ている和室がある。
一番奥にある孝の部屋の前には、堆く分厚い本が積まれている。
それに手をつけたこともないし、触る勇気もない。
一階で、また隆治が声を上げた。
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