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「ちょっと先進めておけよ」
角を取り、一手を打つ。
風呂上がりの身体が冷えるので、ベッドに乗っている毛布にくるまった。
そこで、孝がやっと机から離れた。
隆治の飲まされたせいか、心なしか頬が赤い。
「下、うるさいよね」
二人で床に腹這いになり、孝の一手を待つ。
歩が一枚あげられた。
「そうか?俺、耳栓してるからわかんなかった」
今までずっとろくに会話をしていなかったのに、話しかけたらあっさりと続く者である。
緊張していた自分が馬鹿みたいであり、今までなぜあんなに距離を置いていたのか不思議だ。
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