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寒さに震えながら目を覚ますと、すみれは孝の部屋のフローリングの上に転がっていた。
無造作にかけられた毛布は、あまり役に立ってはいない。
身体を起こすと節々がみしっと悲鳴を上げる。
「うう……」
朝日に目を細めると、孝の姿は部屋にない。
嬉しいような、文句を言いたいような気持ちで部屋を出る。
出かける前に湯船に浸かりたいほどだ。
「お母さぁん、お兄ちゃんは?」
「もう学校に行ったわよ。あんた、すごい頭しているけどどうやって寝たのよ」
「お兄ちゃんの部屋の床」
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