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夏になった頃、すみれは仕事にも慣れてきていた。
といっても、まだサポートの立場であり、先輩の仕事を手伝うことが多い。
それでも着実に任される仕事は増えてきていた。
「すみれ、冷房の温度一度下げて」
望がテーブルの向こうから声を掛ける。
そっと席を立つと、壁に設置されたエアコンの温度を下げる。
「望ぃー、あたしは寒いんだけど」
天井に設置された冷房器具の真下にいる同期の早坂は、肩にカーディガンを羽織っている。
「俺も寒い」
早坂の賛同をなしたのは西村だ。
研修で眠ってしまってから、どうにも何かというとすみれは目をつけられている気がしてならない。
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