1 プロローグ

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「おめでとう。お疲れさま!」 一家のリビングに口々に祝いの言葉が溢れる。 今日、4月3日。 本田家のリビングには親戚の人間が集合している。 そしてその中心にいるのが本田隆治。この家の主である。 「長かったねぇ。でも、本当にあんたはよくやったよ」 テーブルの向こうから声を掛けるのは、隆治の姉、礼子である。 それに続けるように、口々に賛辞が飛ぶ。 当の本人である隆治は、礼子が持ってきた両手から溢れるほどの花束に満足そうに目を細めている。
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