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「おい。孝。これ、この酒うまいぞ。田中工業の社長さんに貰ったんだ」
「ああ、うん」
孝の生返事にも我関せず、隆治は紀子に指示を飛ばし、グラスに酒を注ぐ。
「ほら、飲め」
すみれは酒を苦手としているので、こういう時に誘われることはない。
「ああ、うん」
孝はそれだけ言うと、酒を煽った。
「どうだ、うまいだろう」
「ああ、うん」
孝は無駄な言葉を話すことなく酒を飲み干す。
そして、パソコンを閉じると立ち上がった。
「あ、そのままでいいわよ」
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