3 毎日が日曜日

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紀子に言われると、そのまま二階に行ってしまった。 キッチンにはテレビからの笑い声が木霊する。 「なんだ、あいつ。もっと分けてやるのに。おい、母さん。ちょっと孝を呼んでこい」 「ちょっと、お父さん。やめてくださいよ。あの子忙しいんですから」 言い合う二人の横で、すみれはゆっくりと視線をテレビに向ける。 「いいんだよー。まだ俺は飲みたいんだから。孝ー!下りてこーい!」 「やめてくださいってば」 紀子が二階に向けて叫ぶ隆治を諫めようと、その手からとっくりを奪う。
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