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「朝っぱらから飛び降りかよ、ふざけんなっつうの」
木村が不機嫌そうに呟く。
「拓也!…さん!今はそんな事言ってる場合じゃないでしょ!!」
「ピリピリすんなよ。可愛い顔台無しよ?」
「拓也さんまで山下さんみたいな事言わないでください!!」
「は?アイツお前の事狙ってんの?お前まさか付き合ったりしないよな?」
「拓也さんには関係ないでしょ、もう俺達別れたんだから」
パトカーの中で他愛もない会話を交わしているうちに、二人は現場へ到着した。
二人がパトカーを降りて現場に向かう途中、一人の男とすれ違った。
木村と彼の肩がぶつかる。
「「すいません」」
男は小さく謝ると足速に通りすぎて行った。
拓也はその後ろ姿から目が放せない。
「あの…っ!!「拓也さんっ!」
「わかってるよ!!」
あの日の後ろ姿は、いつまでも俺の脳の深くにこびりついて、なかなか消えなかった…
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