変化は突然に

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「くぉらぁ~!! 待たんかそこの馬鹿2人組がぁ!!」 「ふははははは!! 待てと言われて待つ馬鹿なぞこの世には存在せんわこの馬鹿めがッ!!」 「先生!! 俺は無関係ですよ!? このブァカに勝手に巻き込まれただけですからね!? そこんとこ判ってますか!?」 怒号。 少年2人は背後から聞こえる怒号にそれぞれ言葉を返しながら本当に学校の廊下かと思う程の広い廊下を必死な形相で駆ける。 いや、必死なのは片方の少年だけで、もう片方の少年は余裕の笑みを浮かべている。 ここは“私立深立高校”。学園長の趣味により改築に改築を重ねられ無駄に広くなった巨大な校舎と、総生徒数1400人を誇る有名な高校である。 他にも、生徒の自主性を尊重すると言う名目の元に際限なく増え続ける数多くの部活動が乱立する事でも有名であり、野球部やサッカー部といった至極まともな部活動から、作戦会議部や正義執行部といった普段の活動が一切判らない謎の部活動も存在している。 そのフリーダムな校風から年々入学希望者は増え続けている。 しかも、入学では試験はもちろん、一芸入試も採用している為に変人率が異常に高い事でも有名。 とまあ、あまり学校としては喜ばしくない理由で有名な学校なのである。
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