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俺こと高嶺流-タカミネナガル-はどちらかと言えば一般人である。どこかの虚雲のようにS〇S団を密かに望んだ訳でも、フラグクラッシャーのように異能力を打ち消す手も持っている訳ではない。
俺の(きっと)他の奴と違うところは友人たる笠井蓮二-カサイレンジ-が生きるチートクラスであると言う位であろうか。
成績優秀。眉目秀麗。運動神経高。性格は丸く、偉ぶらない。完全無欠の野郎が幼馴染みであったが故に俺は一般人では無かった。
まぁ色々比べられるのには辟易したが。しかもラブレターとやらを渡してくれと言われたのも沢山あるが(全部目の前で引きちぎってやり、『自分で渡しやがれ』と言ったらひっぱたかれた。理不尽だと今になっても思う)。
まぁアレだ。俺はいつだって正々堂々と卑怯な行いをする。奴はいつだって正々堂々と真っ向から立ち向かう。
罠を巡らし、策を練り、泥塗れになって、人質をとり、畜生に堕ち、生き残るのが俺なら。
奴は全て正面から抉じ開け、勝利を得る。
だからこれは―――――――――清廉な勇者と卑怯で愉快な一兵卒のお話である。
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