狩人達の物語

１

「さっきのはなんだ？」

ベースキャンプに戻り、
Tomが息を整えながら尋ねる。

「これだよ」

言って男が見せたものは閃光玉だった。
投げると強烈な光を放ち、相手の目を眩ませるという道具だ。

「これ、ティガレックスに効くんだ」

「へえ、思ったより便利なんだな」

「使ったことないのか？」

「あんまり道具は使わないな」

荷物が重くなるから、とは言わなかった。
それにしても間に合って良かった、男は笑って言う。聞くと、雪山でティガレックスを見かけたとの情報が耳に入り、気になってポッケ村にやって来たという。

「そんでハンターが知らずに雪山に
　行ったって聞いたから慌てて来たんだ」

そうそう、これ、と言って差し出されたギルドカードを受け取り、代わりに自分のものを渡す。

「Ray、でいいんだよな。太刀を使うのか」

「そういうTomは弓なんだな」

Rayは手慣れた様子でカードをしまう。カードケースはそれなりに分厚く、彼のハンター歴の長さを表しているようだった。