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さてポッケ村に到着し、オババに挨拶に行く。のんびりお茶を飲みながら世間話でもしたいところだが、残念ながら今回は時間がない。早く雪山に行かないとティガレックスがどこかへ飛び去ってしまう。そのことを伝えるとオババはひどく驚いたようすで、ティガレックスが雪山にいるのかい、と聞いてきた。 「はい、俺はそれを聞いて  いそいで来たんですよ」 「困ったね、さっきドスギアノスを倒しに  雪山に向かったハンターがいるんだ」 それはまずい。俺は行ってきます、とだけ言ってひたすら走って行った。山頂付近にたどり着くと、聞き慣れた轟音が空気を振動させる。音源の方向、あいつのいるところへと急ぐ。 そこにいたのは弓を背負い、ひょいひょいと攻撃をかわすハンターと、目をぎらつかせながら突進を繰り返す巨大なティガレックス。今まで見た中では、最大かもしれない。 「これ、俺が出なくても大丈夫かな?」 あまりにもきれいに紙一重で避けるその姿に、そう思ってしまう。大丈夫ならこのままこっそりティガレックスを観察したかった。しかしそうも言っていられなくなる。 「ぐわあぁぁぁぁぁ!!」 その咆哮に、硬直していた。さすがにこれは死ぬ。駆け寄りながら袋から閃光玉を取り出し、ティガレックスと見知らぬハンターの間に投げる。視界が一瞬真っ白になりティガレックスがその場で暴れだす。 「大丈夫か!?」 「ああ、すまない」 「逃げるぞ!」 怪我はなさそうだったので、それだけ言うとハンターの腕を掴み、そのまま全力疾走で雪山を下った。
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