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ざくり、ざくり。 音がやけに響く、静寂の中。 一人の男が雪を踏みしめ歩く。慣れていないのであろう、一歩一歩、慎重に。 日はまだ高い。男は空を仰ぎ太陽の位置を確認するとまた、一歩一歩、慎重に進む。 ここ、雪山を越えれば目的地は目の前である。このまま行けばいくら不慣れな道でも日が暮れる前には着く。 ふ、と息を吐き、歩を進める。 ざくり、ざくり。 その男はただひたすら、真っ直ぐ歩いた。
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