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連れて行かれた先にいたのは、焚火の前でうとうとしている婆さんと、またまたアイルー。こちらは上品な外套まで着ている。そういえばさっきもアイルーとすれ違ったような気がする。 ネコまみれ、 男はそう思わずにはいられなかった。 「この方が村長だニャ」 「初めまして、Tomです」 「遠路はるばる、ご苦労だったねえ」 男、もといTomは村長と挨拶を交わした後、この村について、雪山について、その他諸々を簡単に説明された。最後に一軒の家を指し、あれを好きに使って良いと言った。 今日からあそこが、自分の家。 とりあえず疲れた身体を癒すために、新しい我が家に向かい歩き出した。 中に入るとまず、充分過ぎる広さに驚く。一人では勿体無いくらいだ。しかしその驚きもつかの間、一日中歩いた付けが一気に回ってきた。大きな欠伸をする。 「……寝るか」 荷物を適当に置き、ベッドに寝転んだ。
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